なぜfootball-jpを作ったのか|海外サッカーファンの3つの不満から生まれたサイト
三笘薫がブライトンでスタメンを張り、久保建英がラ・リーガで輝き、上田綺世がフェイエノールトでゴールを量産する。これだけ日本人選手が欧州で活躍する時代に、「いつ・どこで・誰が観られるか」を調べるのが、なぜこんなに面倒なのか。その問いが、football-jpの出発点になった。サイトの設計思想と、運営しながら見えてきたものを整理する。
海外サッカーを観るときの3つの不満
football-jpを作る前、海外サッカーを追いかけるたびに感じていた共通の不満が3つあった。これは個人の感想ではなく、SNSや友人との会話でも繰り返し聞いてきた、海外サッカーファンの「あるある」だ。
不満1:日本時間がどこにも書いていない
海外リーグの公式サイトは現地時間表記が基本。プレミアリーグの「キックオフ 15:00」がイギリス時間なら、日本では翌日深夜1時。冬時間と夏時間の切り替えもあり、毎回手計算するのは地味なストレスだった。スマホで試合直前に「あれ、今何時から?」と検索するファンは少なくないはずだ。
不満2:どこで配信されるのかが直感的にわからない
U-NEXT、DAZN、WOWOW、ABEMA──選択肢が増えるほど、「この試合はどのサービス?」という疑問が増える。リーグ単位の独占契約は把握しやすいが、カップ戦・親善試合・代表戦になると配信が分散する。試合ごとに配信局を明示してくれるサイトは案外少なかった。
不満3:日本人選手の情報がクラブごとに散在
三笘薫はブライトン公式、遠藤航はリバプール公式、伊東純也はヘンク公式──「今シーズン、海外組の誰がどの数字を出しているか」を横断比較するには、68名分のクラブページを手動で回るしかなかった。日本人選手だけを切り出した一覧が存在しない、というシンプルな空白があった。
「自分が使いたいツールを作る」という選択
既存サービスへの不満を並べ続けても何も変わらない。ならば自分で作ってしまえばいい──それがfootball-jpの出発点だ。やることは決まっていた。日本人選手に絞る・日本時間で表記する・配信局を試合ごとに明示する。この3つを満たすサイトを作れば、まず自分が日々使いたいものになる。
個人開発である以上、大手メディアと同じ網羅性は出せない。だからこそ「68名の海外組」「日本時間」「配信局」という3軸に意図的に絞り込んだ。スコープを限定することで、データ更新の質も維持しやすくなる。
football-jpが解決した3つの課題
サイトの主要機能は、上記の3つの不満に1対1で対応している。
- 日本時間で表示:すべての試合キックオフをJST(UTC+9)で統一表示。冬時間/夏時間の切り替えも自動処理。
- 配信局を試合ごとに明示:各試合カードにU-NEXT / DAZN / WOWOW / ABEMAなどのバッジを付与。配信局ガイドの詳細記事も併設。
- 日本人選手の横断データベース:海外組68名の一覧から、所属クラブ・出場記録・ゴール数を一画面で比較できる。
結果として、試合前に1分かけてアプリやサイトを巡回していた手間が、5秒で済むようになった。「自分のための時短ツール」が、同じ不満を抱える人にも届く可能性が出てきたのが想定外の発見だった。
このサイトが想定するユーザー像
football-jpを設計する段階で、具体的に3つのユーザー像を頭に置いていた。
1. 夜中に試合を観るファン
プレミアリーグは深夜〜早朝、ブンデスリーガは22時頃が主戦場。仕事終わりにスマホで「今夜の試合、どこで観られる?」と検索する人。そのファンが5秒で答えにたどり着けることを目標にした。
2. 複数選手を同時に追いかけるファン
三笘も好きだし遠藤も応援している──しかし所属リーグが違うため、別々の情報源を巡回するのは面倒。一画面で複数選手の試合スケジュールを並列で確認できることに価値がある。
3. W杯2026に向けて日本代表を学び直したい入門者層
カタール大会以降、にわかファンが増えた。「日本代表のクラブ別所属」「対戦相手のレベル感」を入門レベルから知りたい人にとって、football-jpはエントリーポイントとして機能できる。
データ整合性を保つ仕組み
個人開発で最も骨が折れたのが、データの整合性維持だ。選手は移籍する、配信権契約は年度で更新される、試合日程は延期・変更される。これらを正確に追跡しながら表示崩れを起こさない仕組みが必要だった。
特にWikipediaのクラブページからシーズン成績を抽出する処理は、ページごとにフォーマットが異なるため複数パターンへの対応が必要になった。「Efsテンプレート形式」と「wikitable形式」が混在するクラブもあり、両方を解釈できるパーサーをゼロから書いた。
更新の自動化はGitHub Actionsで毎朝7時に動かしている。試合データ・順位表・スコアラー・YouTube公式ハイライトを並列で取得し、Cloudflare Pagesに自動デプロイする構成だ。これにより、サイトを開けば常にその日の最新情報が反映される状態を維持している。
W杯2026に向けた強化方針
2026年6月開催のW杯は、48か国・104試合の史上最大規模。日本代表はグループF(オランダ・スウェーデン・チュニジア)に入っている。この大会に向けて、football-jpは以下のコンテンツ強化を進めている。
- W杯2026特集ページ:48か国全プロフィール・スカッド・順位表・決勝トーナメント表
- 歴代W杯アーカイブ:1930年から2022年までの全大会成績・得点王・優勝国
- 日本代表26名の所属クラブ・直近スタッツの統合ビュー(更新中)
「海外サッカーをもっと気軽に楽しめるように」というシンプルな思いを軸に、機能の追加と精度の向上を継続していく。
football-jp