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オランダ、ウズベキスタンに2-1辛勝も2点ともPK——直前2試合で見えた死角と日本がつく3つの隙

6月9日(日本時間)、オランダはW杯前最後のテストマッチをニューヨークで終えた。スコアは2-1の勝利。しかし2得点がいずれもPKであり、流れの中からのゴールは前戦のアルジェリア戦に続き2試合連続でゼロだった。さらにGKの負傷と相次ぐ離脱が重なり、強豪の足元には不安が積み上がっている。直前2試合の内容を精査し、6月15日の日本戦に向けた示唆を読み解く。

ウズベキスタン戦の結果——2-1、しかし「2点ともPK」

6月9日(日本時間、現地6月8日)、ニューヨークのアイカーン・スタジアムで行われたオランダ対ウズベキスタンの結果は2-1。ボール支配率はオランダ65%対35%、シュート数は15本(枠内4本)対8本(枠内1本)と、数字の上でもオランダの試合だった。

ところが2得点の内訳を見ると、ガクポによる前半31分のPK、そしてガクポによる後半アディショナルタイム90+8分のPK——いずれもペナルティキックである。前戦のアルジェリア戦(0-1敗北)と合わせると、オランダは直前2試合を通じて流れの中からのゴールが1点もない。前回の記事で指摘した「決定力という古典的な病」は、相手が変わっても解消されていなかった。

試合の流れ——退場、同点、土壇場逆転の荒れた終盤

試合は終盤にかけて荒れた展開となった。前半31分にガクポのPKでオランダが先制し、1-0のまま時計の針が進む。ところが後半86分、オランダのティルがハンドで一発退場。10人に数を減らした局面で、90+2分にウズベキスタンのセルゲーエフに同点ゴールを決められ1-1となった。

それでも試合はそこで終わらなかった。90+8分、オランダが再びPKを獲得し、ガクポが沈めて2-1の勝ち越し。そのまま逃げ切り、辛くも勝点3をつかんだ。

数的不利を跳ね返して土壇場で勝ちをもぎ取った事実は、勝負強さの証明とも言える。しかし裏を返せば、ランキング上位の強豪が格下相手に退場者を出し、終盤に追いつかれ、PKがなければ勝てなかったということでもある。この「危うさ」こそ、日本にとって見ておくべき最重要ポイントだ。

スタメンと布陣——4-3-3、これが「ほぼ日本戦の先発」

クーマン監督は試合前、「ウズベキスタン戦はできるだけ先発を変えない。これがほぼ日本戦の先発になる」と明言していた。この日のメンバーが6月15日に日本の前に並ぶ顔ぶれとほぼ同一と考えていい。

布陣は4-3-3。

  • GK:バルト・フェルブルッヘン
  • 右SB:デンゼル・ダンフリース
  • CB:ヤン・パウル・ファン・ヘッケ、フィルジル・ファン・ダイク
  • 左SB:ミッキー・ファン・デ・フェン
  • 中盤:フレンキー・デ・ヨング、ライアン・フラフェンベルフ、ティジャニ・ラインデルス
  • FW:ドニエル・マレン、コーディ・ガクポ、ジャロッド・サマービル

エースのメンフィス・デパイはベンチスタート。中盤はデ・ヨング(バルセロナ)とフラフェンベルフ(リバプール)が軸を担い、攻撃の中心はこの日2発を決めたガクポである。名前を並べれば世界トップクラスの陣容であることは間違いない。ただし最終ラインには後述する離脱事情が影を落としており、この布陣は「選択」というより「必然」に近い面もある。

守護神フェルブルッヘン負傷——日本戦6日前の不安材料

この試合最大のニュースは勝敗ではなく、GKフェルブルッヘンの負傷退場だった。後半、フリーキックをパンチングで弾いた際に腰を強打し、途中交代。代わって控えのフレッケンが入った。クーマン監督は「腰の打撲で、それほど深刻ではないようだ」とコメントしたが、日本戦まで6日というタイミングだけに現地メディアは警戒感を示した。

正守護神が万全でない状態で日本戦に臨む可能性がある。仮に代役GKが先発を務めることになれば、セットプレーやクロス、空中戦の競り合いで付け入る余地が生まれる。日本にとっては見逃せない変数だ。

離脱ラッシュ——薄くなり続ける選手層

オランダの台所事情は本大会を前にさらに苦しくなっている。

  • シャビ・シモンズ:ACL断裂でW杯全試合欠場が確定。攻撃の創造性を担う柱を失った。
  • マタイス・デ・リフト:背中の手術明けで不在。CBの第一候補が抜けた状態が続く。
  • ユリエン・ティンバー:6月8日に鼠径部の負傷が発表され離脱、代役としてヘールトライダが追加招集された。
  • フリンポン:負傷がちでW杯メンバー外となった。

特に痛いのはシモンズの不在で、トップ下で違いを作れる選手が欠けた穴はラインデルスが埋めることになるが、創造性の面での計算は立ちにくい。「個は揃っているが、噛み合わせに不安がある」——それがいまのオランダの正確な状態だ。

日本戦(6月15日)への示唆——日本がつく3つの隙

直前2試合の内容を踏まえると、日本が6月15日に突くべき具体的な隙が3点に絞られる。

  1. 流れの中の決定力不足を突く守備
    オランダは直前2試合を通じて、流れの中からのゴールがゼロだ。日本がミドルブロックで中央を固め、「支配はさせても決めさせない」展開に持ち込めれば、十分に耐え続けられる可能性がある。決定機を外す傾向は本物であり、焦れる時間が長くなるほどオランダのリスクは増す。
  2. セットプレーとGK周りで勝負
    フェルブルッヘンの状態が万全でない場合、セットプレーやクロスは大きなチャンスになる。デ・リフトを欠いた最終ラインも空中戦で絶対的とは言えず、ファン・ダイク一点集中を除けば高さの対策は立てやすい。
  3. 保持を引っかけてのカウンター
    デ・ヨングとフラフェンベルフは球を握ること自体は抜群だが、強度の高いプレスを受けると縦パスをミスするリスクがある。日本が前から制限をかけて奪った瞬間に素早く縦に出られれば、カウンターの形は十分に作れる。

一方で、三笘薫が今大会不在である以上、左サイドからの突破力が落ちることは否めない。それでも直前2試合でオランダが見せた「内容で優位でも結果を落とす」現状は、日本が勝点を持ち帰る現実的なシナリオが確かに存在することを示している。

総括——「修正力」は半分だけ確かめられた

アルジェリア戦の敗北を受けて問われた「修正力」への答えは、「半分だけ確かめられた」というものだった。

結果としては勝利し、アルジェリア戦の0-1から立て直した事実はある。しかし「流れの中でゴールが取れない」という根本的な課題は解消されておらず、GK負傷という新たな不安まで抱えてのニューヨーク辛勝だった。

6月15日に日本の前に立つのは「完成された強豪」ではなく、「個の力で押し切ろうとしながら、噛み合わせと決定力に焦れている強豪」だ。ランキング上位の実力は本物であり、過大な楽観は禁物だが、「勝点1なら現実圏内、耐えて仕留めれば金星も」という距離感で見ていい相手だと、直前2試合が告げている。日本時間朝5:00のキックオフに向け、オランダの「焦れ」がどこで爆発するかが、試合の最大の焦点となるだろう。

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